セガサターン(カ行)


グランディア(ESP/ゲームアーツ 1997年12月18日発売 7,800円)
ゲームアーツが開発したRPG。
産業革命の時代。港町パームに住む主人公の少年ジャスティンは、冒険者だった今は亡き父と同じく、いつはか冒険の旅に出る事を夢見ている。街の近くにある遺跡に足を踏み入れるところから、物語は始まる。父の形見「精霊石」、そして神話として語り継がれている「エンジュール文明」の謎を解く為、冒険へと旅立つ。
画面構成は全編3Dポリゴンで、キャラクターのみ従来の2Dドット絵で描かれている。3Dに弱いとされるSS本体で動いているとは思えないほどの緻密なグラフィックが目を引く。街並はもちろん、家の中まで細かく作り込まれており、住人達もとても活き活きとしており、生活感を感じさせる。各地に点在する街や村はそれぞれに特色・文化があり、冒険をしているという気分にさせてくれる。ただ街中を歩いているだけでも楽しい。まさに生きた世界がそこにある。ドット絵で描かれたキャラも表情豊か。素晴らしい音楽も聴き応えアリ。
フィールドやダンジョンも、それぞれが個性的でバラエティに富んでいる。草木といった自然物もうまく表現されていて、その土地によって育っている植物も違う。あちこち歩き回っているだけでも見ていて飽きない。
プレイ時間の多くを占める戦闘。一定の広さの戦闘フィールドに味方とモンスターが配置され、素早さのパラメータに対応し敵味方共に半リアルタイムで各自行動をとる。剣を装備していればモンスターの傍まで走って近付き切りかかり、弓のような飛び道具なら、その場で撃って攻撃する。魔法も熟練度によって発動時間が変わり、使うタイミングを考える必要がある。「回避」コマンドによりモンスターとの距離を開けたりと、戦術性は高い。行動を取る時のキャラのリアクションも細かく、見ていて楽しい。魔法のエフェクトはカッコイイが、ちょっと時間が長いのが難点。
成長システムも凝ってて、各キャラの基本ステータスはレベルアップ時に上昇するのは他のRPGと同じだが、其々装備できる武器は、使えば使うほどにスキルレベルが上がっていき、それによって必殺技を覚えたりもする。魔法にもスキルレベルがあり、使い込む毎に威力が上がり、発動までの時間も短くなる。魔法には4つの属性があり、其々の魔法のスキルを上げて行く事により、新しい魔法を修得できる。しかしこのスキル上げが、かなり大変。特に回復魔法は、攻撃魔法と比べて使う機会が少ないので、わざとダメージを受けて回復……を繰り返しながらじゃないと全然上がらない。
ストーリーは、今時珍しい直球の冒険活劇。主人公をはじめとするキャラ達も皆快活で明るい雰囲気だ。ただ主人公は個性を持っており自己主張をする。そこにはプレイヤーが介入する余地は無い。この辺は今時のRPGっぽい。ゲームの展開も完全に一本道で寄り道要素は無く、一度通ったマップのその殆どに戻る事も出来ないので、じっくり観光できないのは寂しい。その場でアイテムを取り逃がしたらアウトなので要注意。
物語はボリューム満点で長いが、イベントもテンポ良く進むので最後まで飽きさせない。