スーパーファミコン(タ行)


ダライアスTWIN(タイトー 1991年3月29日発売 8,500円)
タイトーのスーファミ参入第一弾ソフト。アーケードで人気を博した『ダライアス』シリーズのスーファミオリジナル。全7ステージ、全12ゾーン構成の1周END。
システムのベースは『ダライアスII』を基準とし、登場する敵キャラも『ダライアスII』と同じものが多い。コンシューマの『ダライアス』シリーズでは初めて2人同時プレイを可能とした。ロム容量不足からか、ゾーンが大幅に減ってしまい全12ゾーン。ステージ分岐も変則的だ。海洋生物をモチーフにした巨大戦艦も種類が少なく残念。
特定の敵編隊を全滅させると出現するアイテムを取り続けることにより自機シルバーホークがパワーアップしていく。過去のシリーズでは撃墜されるとパワーアップが初期状態になってしまったが、本作ではやられても一切パワーダウンはしないため、ミスをしても極端に不利にはならなくなった。
自機のショットには「ナパーム」、「ウェーブ」の2種類あり、チェンジカプセルを取ることによりショットの種類を切り替えることができる。この2つのショットは性能が極端に違っており、切り替えのミスをすると以降のプレイがとても辛くなる。しかもチェンジカプセルは1プレイ中2個しか出てこない。
グラフィックは全般的に明るめの色調で、BGMも妙に明るいノリで違和感がある。とはいえスーファミ初期タイトルとしてはクオリティは高い。スーファミのシューティングの中では処理落ちも少ない。
敵のアルゴリズムはシリーズの伝統か、自機の動きにお構いなく同じ動きばかりなので面白みには欠ける。難易度はシリーズとしてはそれほど難しくはないが、最終ステージだけは中ボスのオンパレードで、異常な難しさ。そのくせ最終ボスは弱かったりと、ゲームバランスはイマイチ。
パッケージに描かれている敵巨大戦艦って本作には出てきませんよね!?

テイルズ オブ ファンタジア(ナムコ/ウルフチーム 1995年12月15日発売 11,800円)
ナムコから発売された、オリジナルのRPG。キャラクターデザインは藤島康介氏。
物語はトーティスという村から始まる。村に住む主人公クレスは、親友のチェスターと一緒に森へ狩りに行く。ところが半鐘の音を聞いて急いで帰ると、村は何者かによって壊滅状態となっていた……。クレスは村を襲った者の手がかりを探すため旅立つ。
まず電源を入れてすぐに入るナレーションと、それに続く「歌入りのオープニング」に驚かされる。次々と流れるグラフィックも美しく、プレイ意欲を掻き立てる。
一番の特徴が戦闘シーン。一般的なコマンド選択肢バトルではなく、「リニアモーションバトルシステム」とよばれるもので、横2画面分のフィールドを走り回り、剣を振る。必殺技を放てば音声で技名を喋る。その様はさながらアクションゲームのよう。後のシリーズ作品と比べるとまだシステムは練られておらず未完成な感じだが、リアルタイムにキャラを操作し戦う戦闘は面白い。難易度はかなり高めで、油断しているとすぐ全滅してしまうような難所も多い。
所々で過去のナムコ作品のパロディが仕込まれており、知っているとニヤリとしてしまう。
発売当時は『ドラゴンクエストVI』等と重なり全然売れなかった模様。しかし口コミでその面白さが伝わり、一定の成功をおさめる。まさかこれほどの長寿シリーズとなるとは……。

ドラゴンクエストV 天空の花嫁(エニックス/チュンソフト 1992年9月27日発売 9,600円)
大人気RPG『ドラゴンクエスト』シリーズの第5作目。「天空シリーズ」の2作目と位置づけられている。
物語は主人公が少年期の時代から始まり、青年期、そして大人になっていく姿を描いている。親子三代にわたる本作のシナリオは大河ドラマのようなスケールの大きさを感じさせる。FC時代の作品よりも物語性が増したが、冒険の自由度はあまり高くない。船を手に入れても、浅瀬などに遮られて自由に航海できないなど、世界が狭く感じてしまう。
システム部分は整理され、「はなす」や「しらべる」といったコマンドをボタンひとつで実行できる「べんりボタン」が搭載され、遊びやすくなった。表示される文字も大きくなり、漢字交じりのメッセージは読みやすい。主人公の名前にカタカナが使えるようになったのも嬉しい。
戦闘は従来どおりだが、パーティが3人制になってしまったのは残念。ブーメランなど複数の敵に攻撃できる武器が採用され、攻撃呪文の価値が多少落ちてしまった感がある。
特定のモンスターを倒すと仲間にすることができ、パーティの一員として連れて行くことができるのが面白い。全てのモンスターが仲間になるわけではないが、モンスターをコレクションするという楽しみもある。エンディング後に行ける隠しダンジョン、裏ボスが本作で初登場。やりこみ要素が増えた。
SFCへのハード移行に伴いグラフィックはサウンドの質は向上したが、グラフィックは「FCよりも多少色数が増えた」くらいの変化しか感じられず、同時期に発売された他のSFCソフトと比べると多少見劣りする。初めてのハードで開発が難航したのか、発売も遅れに遅れた。これは悪い意味で『ドラクエ』の伝統となっていく。

ドラッケン(ケムコ 1991年5月24日発売 8,500円)
SFCで初めて発売されたRPG。PCからの移植作である。オリジナルである原作はDraconian社開発、Infogrames社発売のAmiga版。
「ドラッケン島」という島を舞台に冒険を繰り広げる。ジョブを選択して4人のキャラクターを作成し、ゲームスタート。
擬似3D表示のフィールドは360度どの方向にも自由に歩きまわることができ、とても開放的なグラフィック。マップ表示もあるので迷いにくい。時間の概念があり、リアルタイムで景色が変化していくのは当時としては新鮮。ダンジョンでは2D表示となり操作法も多少変化する。
モンスターに遭遇すると、画面切り替えは無くそのまま戦闘に突入し、リアルタイムに進行する。戦闘時のBGMは無く、「カンカン」「バシィ!」といった効果音のみが響き渡るさまはとてもシュール。登場するモンスターも、他では見られないような超個性派ぞろい。あまりにも斬新過ぎて、初めて遭遇したときはとても驚くことだろう。
このSFC版は原作からかなり改良が加えられているようで、難易度はそれほど高いものでもなく、じっくり腰をすえてプレイすれば誰でもクリア可能。日本RPGとは毛色が違うため最初はとっつきにくさを感じるが、本作ならではの独特の魅力がある。