スーパーファミコン(サ行)


実況おしゃべりパロディウス(コナミ 1995年12月15日発売 9,980円)
SFCオリジナルとして発売された、『パロディウス』シリーズの第4作目。後にSSやPS、PSPにも移植された。全8ステージのループ制。
システム面は基本的に従来の『パロディウス』シリーズ作品と同じですんなりと遊べる。各ステージはこれまでに発売されたコナミ作品のパロディとなっている。カラフルで賑やかな雰囲気も従来どおり。操作できるキャラクターは16種類と格段に増えている。
本作の一番の特徴は、タイトルにもなっている「実況」。声優の八奈見乗児氏の実況解説が入ってくる。音声で敵の弱点を教えてくれたり、「危な〜い!」と注意してくれたりと、豊富な実況は聞いていて楽しい。
家庭用オリジナルということもあってか、中断機能やハイスコアの保存といった機能も搭載されている。1周するだけでも結構時間がかかるだけに、これは嬉しい。各所に隠されている妖精を集めることで特典がオープンになっていくといった要素もある。
とても充実した内容であるが、画面が派手なだけに処理落ちも激しい。『パロディウス』シリーズらしく難易度も高め。せっかくの家庭用なのだから、最低難易度なら簡単に1周できるようにといった配慮もほしかったところ。

シムシティー(任天堂/インテリジェントシステムズ 1991年4月26日発売 8,000円)
PCで大ヒットした同名作品の移植版。リアルタイム制の経営シミュレーション。
プレイヤーは市長となり、街を開発し発展させていく。市民から税金を徴収し、その資金をやりくりしながら道路や鉄道を敷き、工場や発電所、住宅地、公共施設等を建設し、市民の要望に耳を傾けたり、犯罪や環境汚染といった問題を解決しながら、より住みやすい環境と作っていき街の人口を増やしていく。資金が底をついたり、市長としての支持を得られなくなるとゲームオーバーとなる。
更地のマップを選んで一から街を作り上げていくモードと、様々な条件をクリアしていくシナリオモードがある。「Dr.ライト」というアシスタントキャラクターからアドバイスを聞きながら練習が出来るモードもあるので、初心者も安心。
SFC版は多くの追加・改良点があり、初心者でもより遊びやすくなるように配慮されている。プレイ中は多くのイベントが発生し、ある条件を満たすことによってプレゼントがもらえたりする。グラフィックもPC版より華やかになっている。
多くの要素をリアルタイムで処理していることもあり、街の規模が大きくなってくると処理落ちがひどくなってしまう。セーブに時間がかかったり、容量不足でセーブそのものが出来なくなってしまうなんて事も。

スーパーマリオカート(任天堂 1992年8月27日発売 8,900円)
『マリオ』シリーズのキャラクター達がカートで競うアクションレースゲーム。
8人のキャラクターから1人を選び、コースを5周走りタイムを競うことになる。単なるレースゲームとは異なり、アイテムを使って相手を妨害したりする要素が新しい。先を越されても、甲羅をぶつけて大逆転を狙ったりできるのが面白い。
ステージは豊富で、その世界観も『マリオ』らしいものばかり、コース上に障害物として土管が配置されていたり。路面もアスファルト以外にも砂浜や石畳など数種類あるのも当時としては珍しい。カートに乗っているキャラ達のしぐさも豊富で見ていて飽きない。
画面上下分割により、2人同時プレイも可能。順位や総合ポイントを競ったり、それぞれが持っている風船を割り合う対戦プレイができる。
レースゲームはストイックなプレイになりがちだが、遊び方の幅が広く、初心者から上級者まで誰もが楽しめる作品となっている。

スーパーマリオワールド(任天堂/エス・アール・ディー 1990年11月21日発売 8,000円)
任天堂の代表的キャラクター『マリオ』が主人公の横スクロールアクションゲーム。全9ワールド96コース。
SFCのローンチタイトルとして発売され、SFCのデモンストレーションとしての大役を果たした。ハードがSFCになったことによりグラフィックは色数が増えカラフルに。とてもポップな印象。人気キャラ「ヨッシー」も初登場した。
操作はお馴染みのマリオで、敵を避けたり倒しながらゴールを目指す。基本アクションはジャンプとダッシュだが、物をつかんだり投げたり、スピンジャンプといった追加要素がある。使用するボタンが増えて操作が複雑になってしまった。使いこなせるようになるまでは少々てこずる。
前作から引き続きワールドマップを採用。全96コースとエリアは広大。クリアしたコースをセーブできるがクリアには相応の時間がかかる。
シンプルながらも完成されていた従来のゲーム性が複雑化されたのは難だが、使いこなせるようになれば長く楽しく遊べるだろう。

ストリートファイターII The World Warrior(カプコン 1992年6月10日発売 9,800円)
ゲームセンターで一大ブームを巻き起こした作品の移植版。1対1で対決するタイプの対戦格闘ゲーム。
プレイヤーは8人用意された個性的なキャラクターから1人を選択し、残る7人と1対1の対戦をしていく。6つのボタンに割り振られたパンチとキック、コマンド入力で出せる必殺技を駆使し対戦相手を倒していく。7人を倒すと、新たに四天王と呼ばれるキャラ達が登場、最終対戦相手を倒すとゲームクリア。
大容量ロムで発売されたが、オープニングデモや一部ボーナスステージが削除されたりした。キャラの技、アニメパターンもいくつか省略されているが違和感は少なく、完成度は高い。なによりも家庭内で好きなだけ対戦プレイができるというのが嬉しかった。
SFC版は難易度選択や、ボタン配置を変更できたりと、家庭用機ならではの配慮がなされている。しかしそれでもSFCコントローラーのボタン配置の関係上、技を出すには慣れを要する。ジョイスティックの導入が理想だが、カプコンから発売されたジョイスティックは個人的に使いにくかった。

ゼルダの伝説 神々のトライフォース(任天堂/エス・アール・ディー 1991年11月21日発売 8,000円)
任天堂を代表する作品『ゼルダの伝説』シリーズのSFC版第1弾。画面見下ろし型のアクションRPG。SFC本体発売のちょうど1年後に発売された。
主人公の少年を操作し、ハイラル地方を征服しようとする司祭アグニムを倒し、捕らえられたゼルダ姫を救うことが目的。地名やキャラクター名称など前作までとの共通項は多いが直接的な繋がりは無い。
基本的ステムは第1作目の『ゼルダの伝説』を踏襲している。主人公のアクションは剣を振る以外にも、走る、泳ぐ、高所から飛び降りる、物を投げる……など、アクションの幅が広がった。それに伴いマップの仕掛けや謎解きも種類が増えている。操作性もよく、主人公を動かしているだけでも楽しい。
1作目よりも物語性が強くなったが自由度は高い。新しいアイテムを入手していくごとに行動できる範囲が広がっていき、プレイヤーのスキルも自然と身についていくような作りになっており、『ゼルダ』初心者でも安心して遊ぶことができる。
隅々まで丁寧に作りこまれており、完成度は高い。SFCを代表するタイトルといえる。