プレイステーション(タ行)


ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち(エニックス/ハートビート/アルテピアッツァ/トーセ/タムタム 2000年8月26日発売 7,800円)
国民的RPG『ドラゴンクエスト』の第7作目。今作よりプラットフォームをPSに移し、シリーズ初のCD-ROMソフトとして登場した。
舞台は世界でたったひとつしか存在しない小さな島、エスタード島。この島に住む主人公とその友人達の好奇心から、物語は始まる。ふとしたきっかけで別世界へ飛ばされてしまい、そこで拾った「石版」を集める事によって、エスタード島しかなかったこの世界に、今まで封印されていた土地が解放されて、徐々に舞台が広がっていく、という仕掛けが面白い。封印を解く石版を探す事が大きな目的となるわけだが、このシステムにより従来のシリーズより自由度が低くなっているのが残念。石版を見付ける事が出来ないと物語も進行しない。ここまでシナリオが巨大になってしまうと、自由度を抑えざるを得ないのだろう。舞台・シナリオ共にボリューム満点過ぎで、寄り道なしで普通にプレイしても軽く100時間はかかってしまう。
グラフィックはシリーズ初の3Dポリゴンを採用。しかしそれはマップだけで、キャラやオブジェは従来通り2D。マップもドラクエらしさを残しつつうまく3D化できていると思う。システムも従来通りなので普通に遊べる。新しい要素で、パーティの仲間と会話ができる。この会話のメッセージは豊富で結構楽しい。
戦闘システムも今までと同じ、普通のコマンド式バトルだ。モンスターはアニメーションしてよく動く。転職による職業が豊富で、多くの技が修得可能。だが攻撃の特技が強力なので、呪文の存在意義無し。
新しい要素の一つに「モンスターパーク」なるものがあり、戦闘時になつかせた魔物を住まわせることができるのだが、単に集めるだけなので、あまり楽しくない。せめて、仲間に加えて成長させられるような要素でもあれば良かったのだが。モンスター図鑑も検索性に欠け使いにくい。移民を集める「移民の町」は発展を見るのがそれなりに楽しいが、移民を集めるのは非常に大変。恒例となったおまけダンジョンも使いまわしが多くかなり手抜き感のある作り。
全体的に暗く鬱要素の強い物語。数十分も会話だけで進行するような場面も多々あり、中だるみの期間も長く感じる事もあるが、全体的な作りは良質。