PCエンジン(ア行)


R-TYRE I(ハドソン 1988年3月25日発売 4,900円)
アイレムの同名人気アーケードゲームの移植版。横スクロールのシューティングゲーム。全4ステージ。
自機「R-9」を操作し、無敵のオプション「フォース」と溜め撃ち攻撃「波動砲」等を駆使して敵を倒していく。
PCエンジンのメディアであるHuCardんの容量の都合から、前半の4ステージのみの収録となっている。ステージ4クリア後に表示されるパスワードを、約2ヵ月後に発売される『R-TYPE II』で入力することで続きを楽しむことができるという仕様。ソフトを分割してまでアーケード版の完全再現を目指したこの試みは大英断であったのではないか。それだけにグラフィック、内容ともに再現度は非常に高い。2重スクロールしない、アニメパターンが少ないといった違いはあるが、それでゲームが面白くなくなったわけでもない。解像度の関係で多少上下にスクロールしてしまうのが残念だが、逆に言えばグラフィックを縮めずに再現しようということである。
当時まだ人気の高かったゲームを細部までこだわって移植した本作はPCエンジンのキラーソフトとなり本体の普及に貢献した。

R-TYPE II(ハドソン 1988年6月3日発売 4,900円)
アイレムの同名人気アーケードゲームの移植版。横スクロールのシューティングゲーム。全4ステージ。
後半4ステージを収録。前作のクリア時に表示されるパスワードを入力することで、続きを楽しむことができる。もちろんパスワード無しでもプレイできるが、装備の無い状態でのスタートとなってしまう。
前作同様、細かいところまで丁寧に移植されている。ステージ6ではアーケード版で没になったボスまで登場する。後半のステージが続くので難易度は非常に高い。敵の攻撃は激しく、スプライトのチラつきが多いのが残念。前半と後半両方揃えると結構なお値段になってしまうのも難点か。
ファミコンでは到底再現できないようなデカキャラの表示、豊富な色数、美しいサウンド等、PCエンジンの性能の高さをアピールし、本作の登場をきっかけにPCEでのアーケードゲームの移植が盛んに行われるようになった。

悪魔城ドラキュラX 血の輪廻(コナミ 1993年10月29日発売 7,800円)
『ドラキュラ』シリーズの第10作目。ローマ数字の10を意味する「X」がタイトルにつけられた。サイドビューの横スクロールアクションゲーム。
主人公のヴァンパイア・ハンター「リヒター・ベルモンド」を操作し、捕らえられた女性達を救出し、ドラキュラ伯爵を倒すため、悪魔城に向かう。
基本システムはファミコン版をベースとしており分かりやすい。武器はお馴染みの鞭とサブウェポン。加えて、シューティングのボムにあたる「アイテムクラッシュ」という攻撃が追加された。
大容量CD-ROM採用ということでステージの作りも豪華になっている。グラフィックは美しく、バラエティに富んでいる。途中で分岐する裏面も存在し、プロローグや裏面も合わせると全14ステージとボリュームもある。裏面への入り口を探すという楽しみもある。捕らえられた女性は一度のプレイでは全員救出することはできず、繰り返しプレイすることを前提として構成となっている。難易度は従来のファミコン版と比べると低めだが、アクション初心者がすぐにクリアできるほど簡単ではなく、程よいバランス。
オープニングやステージ間にアニメーションを使ったビジュアルシーンが採用された。登場キャラクターはアニメチックなデザインで旧作からのファンからは賛否両論であった。

アフターバーナーII(NECアベニュー/ビッツラボラトリー 1990年9月28日発売 7,200円)
セガの人気体感ゲームの移植作。擬似3Dシューティングゲーム。最新鋭戦闘機F-14XXを駆り、襲い掛かってくる敵機をバルカン、ミサイルで倒しながら全23ステージを駆け抜ける。
ゲームスタート時の発進シーンでは空母の拡大処理があったりと、動きの面ではかなり頑張って再現している。3D処理や画面の回転処理は滑らかで、大きめに表示される各キャラクターの動きも良い。発色が良く静止画でも動画でも画面が華やかに見える。ボーナスステージや補給シーンもしっかり再現。
元のアーケードの迫力あるBGMの再現は流石に厳しく、効果音も含めちょっと寂しい出来。それを補うためなのか、メロディラインが入ったBGMを採用している。
オプションで、タイトル画面に出てくる球体を動かせるテストモードがあるが、これがなにげに楽しい。

イースI・II(ハドソン/アルファ・システム 1989年12月21日発売 7,800円)
PCで大人気を博した、日本ファルコム制作の『イース』、『イースII』をひとつの作品として移植したもの。トップビューのアクションRPG。
赤毛の剣士「アドル・クリスティン」の冒険を描いた物語。CD-ROMの容量を活かして両作品を収録した。『I』と『II』は前後編という関係だが、この2作品を繋ぎ合わせ、一本の作品として制作された。それに伴いゲームバランスにも手が加えられている。
物語に多少のアレンジが加えられている箇所もあるが、大筋はPC版を踏襲している。CD-ROMの特徴を活かして、BGMをCD-DAで再生したり、キャラクターが肉声で喋ったりと、演出が豪華になっている。そのオープニングビジュアルはインパクトが大きく、本体の普及に大きく貢献した。

エルディス(日本コンピュータシステム/デュアル 1991年4月5日発売 6,500円)
コミカルな世界観が特徴の、PCEオリジナル横スクロールシューティング。全6ステージ。
自機「たぁ坊」を操作し、6段階パワーアップするショットで敵を倒していく。ゲームスタート時にオプションの攻撃タイプを3種類の中から選択する。選択した攻撃タイプそれぞれに3種類のタイプが用意されており、そのうちの2つまでをオプションとして装備できる。
主人公たちの落描きを具現化したキャラクター群は見た目もとても可愛らしく、明るい雰囲気。ボスキャラ含め、敵が豪華声優陣の声で喋りまくる。音楽も名曲揃い。
そのコミカルな見た目とは裏腹に、難易度は非常に高く、オプションでの弾消し等のテクニックを駆使しなければクリアは難しい。道中でミスしようものなら復活は困難。ステージ構成や敵キャラはどこかで見た事があるようなものが多く登場するが、ボイス含めてパロディ要素が多い。かといって適当に作られたものでもなく、意外と本格指向。とても硬派なシューティングである。