セガ Mark-III(ハ行)


覇邪の封印(セガ・エンタープライゼス 1987年10月18日発売 5,800円)
工画堂スタジオが前年に発売したPC用RPGの移植版。Mark-IIIで初めてバックアップが搭載されたソフトである。
舞台は剣と魔法のファンタジー世界。ある時「バァンドゥラの通路」の封印が解かれ異次元から邪悪な魔物が侵入してくる。平和を取り戻すため、長老達に選ばれた主人公は「覇邪の封印」を手に入れるべく旅に出る。
パッケージに布製ワールドマップと金属製フィギュアが同梱されているのが大きな特徴。プレイ中はこのマップとフィギュアを使いながらの攻略となる。一般的な画面見下ろしがたのフィールドなのだが、視界がとても狭く周囲2マス分しか表示されない。よって付属マップで位置の確認をしないとすぐ迷ってしまうのだ。そのようなシステムである上に付属マップはフィールドのみであるためマッピング作業は必須といえる。
PC版からの移植であるが色々と改良が加えられ遊びやすくなっている。FM音源対応のBGMも迫力があり聴きごたえがある。

ファンタシースター(セガ・エンタープライゼス 1987年12月20日発売 6,000円)
セガ・オリジナルRPGシリーズの第1作目。セガの完全自社開発でシリーズ化されているRPGは、今の所これだけ?
ファンタジーとSFが融合したような世界「アルゴル太陽系」の3惑星を舞台に、15才の少女アリサは、殺された兄の敵を討つため旅立つ。
このソフトの発売された1987年は『ドラゴンクエストII』や『ファイナルファンタジー』の発売と同じ年で、RPGが盛り上がりを見せ始めていた頃。海外製含め、RPGの世界観といえばファンタジー一辺倒だった当時、SF要素の強いRPGはコンシューマではまだ無かったんじゃなかろうか。宇宙船で惑星を行き来し、ロボットとドラゴンが共存するような不思議な世界を旅していく。
システムはオーソドックスなもので、敵を倒し経験値を貯めレベルアップしながら物語は進行していく。バランスはちょっときつめで、敵は強く、お金はなかなか貯まらない。特にスタート直後が厳しくて、勇者でもなんでも無い普通の少女アリサは、モンスター3匹くらいと遭遇しただけで大ピンチ。慎重に進まなければならない。後半も厳しく、戦闘バランスは良いとはいえない。
最近のストーリーRPGのように道順が完全固定されておらず、割と自分の好きなように進められるのが楽しい。「次にどこでなにをすればいいのか分からない」なんて事も起こりうるが、そこは自分の足で切り開いていくもの。そして誰もが驚いた「3Dダンジョン」。滑らかにスクロールアニメーションするダンジョンは臨場感抜群。滑らかなアニメーションで動くモンスターも当時としては画期的。表示も大きめな事もあって、とても迫力がある。戦闘時は背景も表示されており、当時としてはとても綺麗なグラフィック。FM音源に対応したBGMも名曲ぞろい。
先に進めることが楽しく、「冒険」をする楽しさに満ち溢れているゲームだった。変なイベントも多かったけどね。
当時私はMK3本体を持っていなくて、近所の友人宅でMK3ゲームを楽しんでいたのですが、これのテレビCMを見て「ビジュアルショック!」。マスターシステム本体と一緒にソフト購入しました。それだけに思い出深いタイトルであります。

ファンタジーゾーン(セガ・エンタープライゼス 1986年6月15日発売 5,000円)
セガの同名AC版タイトルの移植版。ゴールドカートリッジ第1弾。任意横スクロールのシューティングゲーム。全8ラウンド。
自機「オパオパ」を操作し、ショットとボムで敵を倒していく。ラウンド内に点在する計10個の敵前線基地を全て破壊するとボスが登場し、ボスを倒すとラウンドクリア。
左右任意方向へのスクロールと買い物によるパワーアップシステムが特徴。敵を倒すとお金を落とすので、そのお金で武器やエンジンを購入しパワーアップする。
敵前線基地が背景と同一化して動かないものの、色数が少ないながらも背景は充分に綺麗で雰囲気はよく再現されている。ハード性能の都合でレーダーが無くなり、ラウンド4と6のボスがオリジナルのものに差し替えられている。新ボスはデザイン的にもイマイチだが、基本システム等といった原作の要素はほぼ再現されており、全体的に移植度は良好。

北斗の拳(セガ・エンタープライゼス 1986年7月20日発売 5,000円)
週刊少年ジャンプで連載していた大人気漫画『北斗の拳』をセガがゲーム化。サイドビューの横スクロールアクションゲーム。全6ステージ。
時は世紀末、核戦争によって崩壊した世界。一子相伝の暗殺拳「北斗神拳」伝承者ケンシロウは、恋人ユリアを救い出すため、強敵たちとの戦いを繰り広げることになる。
プレイヤーは主人公ケンシロウを操作し、パンチやキックで遅い来る敵たちを蹴散らし、ボスを目指す。ひとつのステージは2部構成となっており、まずは制限時間内に迫りくる敵を倒しながらゴールを目指すパートから始まる。横スクロールするステージは多重スクロールで表現され奥行きを感じさせる。わらわらと襲い掛かってくる戦闘員をパンチやキックで攻撃すると派手に体がバラバラに飛び散る演出が良い。とてもテンポがよく爽快感抜群である。道中には何人かの中ボスが登場。原作と同じ攻撃を仕掛けてくる。
ゴールに辿り着くと画面が切り替わり、ボスとの一対一の一騎打ちとなる。このパートではキャラのサイズが一回り大きくなり、対戦格闘ゲームのようである。敵の体力を削っていき、フィニッシュを決めると北斗神拳奥義が炸裂!ステージ1で見られる北斗百裂拳はインパクト抜群。テレビCMでもこのシーンが使われ、強い印象を残した。
物語は原作に沿って進行していく。サザンクロスタウンから始まり、ゴッドランド、デビルリバース、カサンドラ伝説、聖帝十字陵、そしてラストステージの拳王ラオウを倒すとエンディングとなる。
中ボスやボスは原作に沿った攻撃をしないと体力を削れなかったりと、とても凝っている。グラフィックも綺麗で、原作の数々の名シーンをうまく再現しているなど、細部まで丁寧に作られている。その高い完成度から、原作ファンからも高い評価を得た。