メガドライブ(タ行)


大魔界村(セガ・エンタープライゼス 1989年8月3日発売 6,800円)
カプコンの同名アーケード作品の移植版。サイドビューの横スクロールアクションゲーム。全6ステージ×2周END。
主人公アーサーを操作し、武器を使い分けながら敵を倒していく。前作と違い上下への攻撃も可能となった。敵の攻撃を受けると着用している鎧が剥げ、もう一度攻撃を受けるとミスとなる。黄金の鎧を装着しているときは、強力な魔法攻撃を使用できる。
容量の都合でオープニングデモなどの演出が省略されたり、背景のグラフィックの描きこみが省略化されたりといった部分はあるが、グラフィックよりもゲーム性を優先した移植により、ゲーム内容の再現度は高く、初期メガドライブ作品の中では出色の出来。難易度の高い作品だが、やり込めば確実に上達できるゲームバランス。無限コンティニューできるのも嬉しい。

TATSUJIN(セガ・エンタープライゼス/東亜プラン 1989年12月9日発売 6,000円)
東亜プラン開発の同名アーケード版の移植作。縦スクロールのシューティングゲーム。全5ステージのループ制。
自機を操作し、3種類のショットと達人ボムを使いながら敵を倒していく。ショットは「P」マークのアイテムを取り続けることで3段階にパワーアップするのだが、これを5つ取らないと1段階パワーアップしない。達人ボムは撃った直後から効果があるので使い勝手がいい。画面いっぱいに広がるドクロ状の爆炎はインパクト大。
BGMがなんだかテンポが速くイマイチな出来だが、ゲームの移植度は高い。画面の右側にスコアやストックアイテムの表示エリアを配置して横長にならないようなレイアウトになっているが、それでも縦方向の距離が短いため難易度は高い。

ダライアスII(タイトー 1990年12月20日発売 8,900円)
同名のアーケード版作品からアレンジ移植された横スクロールシューティング。同族のダライアス星人の危機を救う為、銀河系を舞台に戦いを繰り広げる。全7面構成の1周END。
各ゾーン(ステージ)クリア時にゾーン分岐があり、任意に攻略ルートを選択する事が出来る。全28ゾーン存在し、そのうちの7ゾーンをクリアしていくことになる。
特定の敵編隊を倒すと出現するパワーアップアイテムを取る事によりパワーアップしていくのは1作目と同じだが、その武装の構成は1作目とは異なる。其々の武器のアイテムを取る毎にパワーアップ。最強段階はかなり派手で爽快感アリ。しかしミスすると最弱状態に……。一度ミスすると立て直すのは難しい。2人同時プレイはできないが、オプションで機体の選択はできる。
元々のアーケード版は横2画面分(3画面のバージョンもあった)のワイド画面だったが、それをうまく1画面に収めてあり、うまくアレンジされている。ボス戦でも画面が狭く感じるという事は無い。きちんとバランス調整されており、難易度もアーケード版よりだいぶ下がっているので遊びやすい。
『ダライアス』シリーズの特徴のひとつでもある、海洋生物をモチーフにした巨大戦艦群も、一部削られた戦艦がいるものの、高いクオリティで再現。背景グラフィックも綺麗で、ラスタ処理を多用した演出もバッチリ。地下基地や洞窟といったゾーンはかなり地形が厳しく難しい。かなり狭いし、地形にぶつかってもミスになるので、慎重な操作が要求される。
音楽の再現度も結構高いと思う。自機のショット音がでかいので、せっかくのBGMもよく聞こえないが……。難易度も適正で、アレンジも含め、家庭用ハードへの移植としては合格点の出来ではないかと。

チェルノブ(データイースト 1992年10月16日発売 7,800円)
アーケード版からのアレンジ移植作。サイドビューの強制横スクロールのシューティングアクションゲーム。全7ステージ。
科学者である主人公「チェルノブ」が、さらわれた妹を助ける為、父が開発したコンバットスーツで悪の組織デスタリアンと戦う。アーケード版で問題とされた基本設定やストーリーはマイルドに変更されている。
使用する3つのボタンは「振り向き」「攻撃」「ジャンプ」となっている。6種類の武器を使い分けながら敵を倒していく。ジャンプアクションなのだが、画面は一定の速度で右方向へ強制スクロールするので、立ち止まることができない。バックができないのでアイテムが通り過ぎてしまうと回収もできない。ひたすら走り続けるチェルノブの動きが妙に滑らか。
グラフィックはアーケード版から大幅にパワーアップ。細部まで細かく描き込まれとても美しい。怪しげな世界観もさらに怪しげに。見た目はキワモノだがゲーム部分もしっかりと作りこまれており、全体のクオリティは非常に高い。一発死であることと、独特の操作性もあって難易度が高めだが、あふれ出す個性は一度触れると病みつきになる。個性的過ぎて人を選ぶが……。

デンジャラスシード(ナムコ/トーセ 1990年12月18日発売 5,800円)
同名アーケード版から移植された、縦スクロールシューティング。エイリアンによる地球侵攻を阻止せよ!ということで、敵エイリアンに立ち向かう。全12面構成。
自機の武器は、アイテムを取る事により選択できる3種類のメインショットとボムというシンプルな構成。自機にはα機、β機、γ機が存在し、2面、4面クリア時に其々が合体し3機構成になる。2機以上合体している状態で、ボタンを押す事によりフォーメーションチェンジが可能で、攻撃形態が変わる。各機にはバイタリティが3つずつあり、合体すればバイタリティは最大9にもなり、やられにくい……と思いきや、ダメージを受けたときの無敵時間が殆ど(全く?)無い為、大量の敵弾に囲まれたら大ダメージ、あっという間に昇天する。
敵がエイリアンということで、デザインもグロテスクな感じ。どことなく昆虫っぽくて気色悪い。グラフィックはなかなか綺麗。背景も、最初は敵前線基地ということで機械的だが、敵本拠地である終盤に近付くにつれ生物的になっていく。後半の胎内ステージのグラフィックは見応えアリ。かな〜〜り気持ち悪い。
アーケード版より難易度は抑え目とはいえ、やはりそれなりに難しい。敵弾は自機を確実に狙って撃ってくるタイプなので、充分引き寄せてから避ければなんとかなる……かな? 一応私なんかでもノーミスクリア出来るし……ボムが比較的多く出現するのが救い。
ゲーム展開は全体的にちょっと単調なので、飽きは早いかも。

時の継承者 ファンタシースターIII(セガ・エンタープライゼス 1990年4月21日発売 8,700円)
セガオリジナルの人気RPG『ファンタシースター』シリーズの第3弾。1、2作目とは別のチームが組まれ開発された。他の3作とは舞台が異なり、外伝的な位置付けとなっている。
アルゴル太陽系とは違う、見知らぬ地。かつて高度な文明を誇っていた世界で、「ライア・オラキオ戦争」勃発。それから1000年後が物語の舞台。1000前の大戦争で、文明は中世レベルにまで逆行。かつての科学文明は見る影もない。其々の軍勢に加勢した人々は2つに分裂。現在では「ライアの民」、「オラキオの民」として暮らしている。
主人公ケイン・サ・リークと、マーリナという少女との運命的な出会いから物語は始まる。物語は全3章に分かれ、各章の終わりに花嫁候補が2人現れるので、どちらと結婚をするかによって物語が分岐。最終的に4つのエンディングが用意されている。3世代にわたる壮大(?)な物語が展開していく。
3世代と分岐で主人公(子孫)は計7人存在。脇を固める人物たちもとても多い。同じ人物でも、物語の分岐によってその役割の変わる人もいたりと、人間関係は複雑。前世代で活躍したキャラが年を重ねて再登場といった演出も魅力のひとつ。ただ、その多くのキャラの掘り下げが足りず、シナリオに深く絡むことなく魅力薄になってしまっているのが残念なところ。
戦闘システムは割と普通だが、なにより驚きなのが、あの異様なモンスターデザイン!アレは一体何なんだろうか。個人的には怪しくて好きですが、その世界観が従来の『ファンタシースター』に求められているものとかけ離れてしまっているのが批判の要因にもなっているのかも。過去作と比べて戦闘アニメーションの動きが貧弱なのもイマイチ。前作が派手派手だったので余計に……。背景の謎の多重スクロールも見ていて疲れる(海外版ではスクロールしない)。コンディションによって戦闘BGMが変わるのは面白い。
ダンジョンは構造が単純になり難易度は高くないが、パーティキャラの足が異様に遅い、エンカウントが異様に多い、バグが異様に多い……等、ゲームの基本部分での作りの粗さが目立つ。中世風のグラフィックは結構奇麗。音楽もとても良い。
ROM容量不足により内容カット、短い開発期間等で色々と厳しかったんだろうが、じっくりと作り込めていたなら化けていただろうに……と思うと残念。
そういえばゲーム発売当時に「早解きキャンペーン」なるものが開催されていた。広報がRPGの早解きを推奨するなんて……それってどうなのよ。