メガドライブ(カ行)


ガンスターヒーローズ(セガ・エンタープライゼス/トレジャー 1993年9月10日発売 6,800円)
技術屋集団「トレジャー」の記念すべき第一作目。横スクロールのシューティングアクションゲーム。全7ステージ。
プレイヤーはスタート時に2人の主人公「レッド」と「ブルー」から1人を選び、破壊神「ゴールデンシルバー」の復活を阻止するため、帝国軍との戦いに挑む。
飛び道具であるメインショットと、投げやスライディングといった特殊技を駆使して敵を倒していく。4種類あるショットの武器アイテムは同時に2つまで所持でき、その組み合わせによって14種類ものショット攻撃を使用可能。
キャラクターはコミカルなデザインが多いが、高度な動きを見せる多関節キャラや派手な画面演出・効果が素晴らしく、見ているだけでも楽しい。操作性もよく、爽快感は抜群。

ガントレット(テンゲン/M2 1993年9月17日発売 7,800円)
米Atar社の同名アーケード版作品の移植作。ファンタジーRPG風のアクションシューティングゲーム。
性能の違う4種類のキャラクターから1人を選択し、飛び道具と魔法を駆使し、モンスターを倒しながら出口に向かう。セガタップを使うことにより4人同時プレイも可能。
画面を覆いつくす程に大量のモンスターが次々と湧き出してくるが、画面がチラつくこともなく、見事にアーケード版のゲーム性を再現してみせている。グラフィックの出来もよく、移植度は非常に高い。追加されたBGMも素晴らしい。
メガドライブ版オリジナル要素として、対戦やクエストといったモードが用意されている。クエストモードは、経験値をため好きなように能力を振り分けたり、武器を買ったりと、RPG仕立ての作りになっている。プレイフィールドに配置された仕掛けも『ガントレット』の特性をうまく活かしていて、1人でも長くプレイできるよう工夫されている。パスワードでの継続プレイも可能。
当時メガドライブ周辺機器にはマルチタップは存在せず、このままでは4人同時プレイができないことから、テンゲンが独自にマルチタップを試作していたところ、その完成度の高さからセガが気に入り、正式に発売に踏み切った、という逸話がある。

空牙(RIOT日本テレネット/データイースト 1991年8月2日発売 8,400円)
データイースト制作の同名アーケード版作品の移植作。縦スクロールのシューティングゲーム。全7ステージ。
攻撃力や機動力の違いがある3種類の機体から選択し、メインショットとバレルロールを駆使して敵を倒していく。2人同時プレイ可能。
バレルロールとは、ボタンを押すと自機が数秒間無敵状態になるもので、緊急回避に役立つ。使用回数に制限は無いが、一度使うとゲージが無くなり、再びゲージが満タンになるまで使用できなくなる。メインショットはアイテムを取ることにより切り替えができ、5種類のショットが使用可能。状況によって使い分けて攻略していくのが楽しい。
ゲームスタート時の発進シーンなどカットされた部分もあるが、移植度は良好。特にサウンドは聴き応えあり。全体的に可もなく不可もなくといった出来で、データイーストとしては地味なタイトルではある。
オープニングに出てくるオペレーターの女性がなぜかリアル調グラフィックに変わっている。なぜだろう?

グラナダ(ウルフ・チーム 1990年11月16日発売 6,800円)
X68000で発売されていた作品の移植作。トップビューの全方向スクロールシューティングゲーム。全8ステージ。
戦車「グラナダ」を操作し、連射のきくメインショットと、攻撃力が高いが単発攻撃のブラスターを使い分けながら迫りくる敵を破壊していく。自機の移動は8方向だが、自機の移動に追従して砲台が回転し、発射方向を16方向に撃ち分ける事が可能。戦車らしく、ボタンを押すことで砲台を固定することができ、固定して正面に攻撃しながら横移動といった行動もとれる。
画面右下に表示されるレーダーを頼りに広大なマップ内を移動する。マップ内に複数配置されたターゲットを全て破壊するとボスが出現、もしくはボスエリアへの侵入が可能になる。ボスを倒せばステージクリア。ダメージゲージがゼロになるかタイムアップでミスとなる。
操作は慣れるまで難しいが、障害物を利用して敵を狙い撃つといった戦車ならではの攻撃が楽しい。ステージ2の高所での戦闘など、見せ場も多い。サウンドの出来も良い。
PC版からオープニングデモやボーナスステージが削られているが特に気にはならない。パッと見は地味だがゲームの完成度は高い。

グレイランサー(日本コンピュータシステム 1992年7月17日発売 8,300円)
メガドライブオリジナル作品として制作された横スクロールのシューティングゲーム。全11ステージ。
地球連邦とエイリアンによる全面戦争の最中、船ごと拉致された父を救うべく、少女ルーシアは最新鋭戦闘機「グレイランサー」で出撃する。
自機「グレイランサー」を操作し、7種類のガンナーと7種類のムーバーを駆使し、迫りくる敵を倒していく。自機は一切パワーアップしないのだが、アイテムを取ることにより、自機の周りにオプションパーツ(ガンナー)が装着される。ガンナーは2つまで装着可能で、アイテムを取ることによりガンナーのショットが変化する。このガンナーのショットを場面に応じて使い分けていくことになる。ゲームスタート時にはこのガンナーの操作方法(ムーバー)を選択することになる。
オープニングやステージ間など要所要所に気合の入った作りのビジュアルシーンが挿入され、物語性にも力を入れている。美少女系のビジュアルだが枚数も多く演出も凝っている。キャラクターデザインは漫画家あいざわひろし。
ステージは11と多いが、背景に変化が乏しく、大掛かりな仕掛けも見られないため全体的に地味な印象。ゲームとしてはよくまとまっている。難易度もメガドライブシューティングの中では低めで手軽に遊べる。

慶応遊撃隊(ビクターエンタテイメント 1993年8月6日発売 7,400円)
メガCDオリジナルの、横スクロールシューティングゲーム。全7話(ステージ)。
時は慶応8年。江戸幕府は反幕府勢力を鎮圧するためアメリカに援助を求め、鎮圧には成功するのだが日米友好通商条約を結ばされ、日本はアメリカの保護領となってしまう……という世界観。日本の江戸時代が舞台だが、地下鉄が走っているわジェット機が飛び交っているわと、変わった設定になっている。
自機は貧乳バニーガール「蘭未」とドラゴン「ポチ」。蘭未の乗ったポチを操作し、Dr.ポンに奪われた秘宝の鍵の奪還を目指す。リーダーが狸だけに敵キャラは狸が多く出てくる。それぞれの動きがコミカルで見ていて楽しい。物語が進むにつれ米軍やロシア軍も加わりワールドワイドに展開していく。
オーソドックスな作りのシューティングでそつなく遊べる。独特の世界観やキャラクターは見ごたえあり。特に第3話のボスは必見。ここで力尽きたのか、以降徐々にテンションが下がっていってしまうのが残念。
CD-ROMらしく、オープニングなどのビジュアルも豊富で、ゲーム中も音声が多く使われている。主人公蘭未の声を、当時デビュー間もない菅野美穂が担当している。

鋼鉄帝国(ホット・ビィ 1992年3月13日発売 7,800円)
横スクロールタイプのシューティングゲーム。性能の異なる2種類の機体から選択し、独裁者率いる帝国を打ち倒す。全7ステージ構成。
基本はサイドビューの横スクロールだが、ステージによっては斜めや逆方向にスクロールする演出も入る。攻撃は対空用のメインショットと対地用サブショットで、自機の前後に撃ち分けが可能。すなわち画面の左右から敵が出現するわけで、なかなか忙しい。プレイ中に出現する経験値アイテムを取る事によりパワーアップするレベルアップ制。最大レベル20まで強くなる。レベルが上がるとショットのパワーアップと、バイタリティの上限が増える。自機が撃墜されてもレベルはそのまま残るのが親切。自機にはバイタリティが設定されており、敵弾や地形にぶつかったりすると減少していき、バイタリティが無くなると1機失う。割と打たれ強いので、そうそう簡単には死なない……と思う。適度な難易度なので誰にでも楽しめるかと。ステージ6の斜めスクロールのシーンだけ妙に難しい気もしますが……。
ジュール・ベルヌの小説のような、空想科学小説を想わせるその世界観が素晴らしい。鉄板を鋲で打ったようなデザインの兵器群がカッコイイのですよ。そして、「カタカタカタ……」と古い映写機で映し出されたような画像演出が施された、セピア色で統一した中間デモ、オープニングやエンディング、映画パンフレットのような作りのゲームマニュアルまで、徹底的にこだわった映画的演出が見所。雰囲気抜群のBGMも相俟って、没入感はかなりのもの。
ステージも、薄暗い坑道を進んだり、高速スクロールの脱出シーン等、色々と凝った仕掛けはあるが、画面処理のあまい所もありやや動きが荒い。ボス級の敵は巨大でなかなかの迫力。巨大過ぎて画面が狭く逃げ場を失う事もあったり……。最後のボスがイマイチインパクトにかけるのも残念。
現在ではプレミア化して恐ろしい値段がついていますね。名古屋では中古が2万円以上で売ってましたし。それでも買う人は買うんでしょうけど。バーチャルコンソール配信とかされると良いけど難しいかな。

ゴールデンアックス(セガ・エンタープライゼス 1989年12月23日発売 6,000円)
アーケードの同名作品からの移植作。ベルトスクロールアクションゲーム。全8ステージ。
3人の個性的なキャラから1人を選択し、デス=アダー軍討伐に赴く。プレイヤーは武器で攻撃し、連続で攻撃を当てたり、体当たりで敵を吹き飛ばしたりできる。壺を拾うことで魔法攻撃もできる。
ステージはアーケード版から2つ追加されたアレンジ移植。一部演出がカットされ、日本語字幕もなくなっているが移植度は悪くない。アニメパターンが少なかったりもするが気になるほどでもない。魔法のグラフィックも頑張って再現している。2人同時プレイも可能。エンディングが差し替えられたのは残念。

コラムス(セガ・エンタープライゼス 1990年6月30日発売 5,500円)
同名アーケード版からの移植。いわゆる落ちものパズルと呼ばれているジャンルの作品。
マニュアルによると、紀元前の古代フェニキア文明から遊び継がれてきたゲームだそうだが、絶対嘘だ。
画面上から縦に3個ならんだカラフルな宝石が降りてくるので、それをフィールドに積み上げていき、同色の宝石が縦・横・斜めに3個以上並ぶと消滅する。その繰り返してゲームは進行していく。消えた宝石の上に別色の宝石が積まれていた場合、それが隙間を埋めるように落下し、その際更に同色の宝石が並べば連続で消えていく「連鎖反応」が発生。連鎖を一度に多く発生させることができれば多くのスコアが得られるので、それを意識しながら計画的に宝石を積み上げていくのも楽しみのひとつ。偶発的に連鎖が発生してしまうことが多いのでなかなか難しいのだが。
ある周期で「魔法石」という宝石が落下してくるので、これを積むと、着地した真下にある宝石と同色の宝石が画面から全て消える。連鎖が発生する可能性もあるので、豪快に宝石が消えていくのが気持ちいい。まったく連鎖が起こらないととても悲しい気持ちになりますが……。宝石を消す事が出来ずフィールドの一番上まで積み上がってしまうとゲームオーバー。
メガドライブ版のオリジナル要素として、1つのフィールドで2人交互に宝石を積む「ダブルス」、3分という制限時間のなかでスコアを競う「タイムトライアル」、予めフィールドに積み上げられた特定の宝石を早く消す事が目的の「フラッシュコラムス」なるモードが用意されているが、遊びこむにはどれも微妙な内容。ハイスコアがセーブできないのも残念。
移植度は非常に高く、グラフィック、サウンドともにアーケード版にソックリ。元のアーケード版が、メガドライブに似た構造を持つ基板で開発されたってこともあるのだが。移植度はメガドライブソフトでは一番なのかな。