メガドライブ(ア行)


アイラブドナルドダック グルジア王の秘宝(セガ・エンタープライゼス 1991年12月20日発売 4,800円)
ディズニーの人気キャラドナルドダックを主人公としたサイドビューの横スクロールアクションゲーム。
ある日ひょんなことから手に入れた秘宝の宝の地図を手に、甥っ子達を連れて宝探しの旅に出る。
ドナルドのメイン武器は「シュッポン」(トイレ掃除で使うアレである)。敵に当てると一時的に動きを止めることができる他に、壁に貼り付けて足場にしたりと、使いどころが多い。シュッポンは3種類あり、初期装備のシュッポンは敵の動きを止めるだけで、足場を作ることはできない。
順番にステージをクリアしていくタイプであった前作『アイラブミッキーマウス』とは違い、アイテムを入手することで行動範囲が徐々に広がっていくようになっている。ストーリー要素も入り、アドベンチャーのように各地を回っていく。ステージ選択制のためテンポが悪く、プレイ時間もかなり長い。中断機能がほしかったところ。世界各地の各ステージも前作と比べてトリッキーな作りで、難易度が上がっている。
世界をまたに駆ける冒険活劇のような雰囲気、ゲームのタイトル等は映画『インディ・ジョーンズ』のパロディとなっている。ドナルドの動きは可愛らしく、操作性も良い。サウンドのレベルも高い。

アイラブミッキーマウス ふしぎのお城大冒険(セガ・エンタープライゼス 1990年11月21日発売 4,800円)
世界の人気者ミッキーマウスが、魔女にさらわれたミニーを助ける為、魔女の住むお城に乗り込む、サイドビューの横スクロールアクションゲーム。
発売日はSFC本体と同じ日だった……SFCを求めて店の前にできた行列に並び、ようやくレジの前に辿りついた所で「メガドライブのミッキーマウスをください」と、SFCに目もくれずミッキーを購入したセガマニアが多数……居たかどうか定かではない。
基本システムは横スクロールのジャンプアクションで、攻撃は尻餅攻撃で敵を倒すヒップアタックと、数に制限のあるショットアイテム。ショットを使えば安全に敵を倒せるが、ステージクリア時のボーナス点に影響するので無駄には使えない。低年齢層を意識してか、難易度は全体的に低めに設定されている。いやらしい攻撃をしてくる敵は殆ど居ないし、時間制限もないので慎重に進めばクリア自体は結構楽。
ミッキーのアクションは、ショットでの攻撃、ロープにぶら下がる、泳ぐ、と動きは多彩。操作していない時もお尻をフリフリしたり、地形の端に立つと「おっとっと」といった仕草をしたりと、活き活きとした動きは見ていて楽しい。この「おっとっと」モーションをはじめて採用したのはこのゲームが初めてなんじゃないかな?ステージの背景グラフィックも美しく、ステージ2の上下ひっくり返る地形等、仕掛けも凝っている。ステージ4のお菓子の国も見所。敵キャラクターも可愛らしいデザインのものが多い。各ステージの音楽も雰囲気が出ていてグー。
映画っぽい雰囲気のオープニングや、可愛らしいエンディングのオチも含め、全体的に奇麗にまとまった良質アクションだ。

アウトラン(セガ・エンタープライゼス/シムス 1991年8月9日発売 7,000円)
セガのアーケード体感ドライブゲームの移植作。フェラーリ・テスタロッサをモチーフにした車を運転し、制限時間内にチェックポイントを通過していく。チェックポイントでは二股にルートが分かれ、多彩な背景を楽しむことができる。全5ステージ・全15ルート。
Mark-IIIから格段にハード性能が上がっているということもあって、移植度は当時としては良好。タイトル画面もちゃんと再現されている。グラフィックは流石にアーケード版と比べてはいけないが、原色っぽい感じの色使いがちょっと残念だが、メガドライブソフトとしては充分綺麗。コースのアップダウンやスピード感といった『アウトラン』らしさは充分に再現されているかと思う。容量の都合もあるだろうが、3D処理はもうちょっと頑張ってほしかったところ。動きが若干大味に見えてしまう。
サウンドの再現性も悪くない。新たに「STEP ON BEAT」という曲が追加されているが、こちらはあまり評判はよろしくない模様。この曲はこのメガドライブ版でしか聴くことができない(はず)。
セガの宿命として、大型体感ゲームのコンシューマ移植は常にファンから望まれているわけだが、拡大縮小機能の無いメガドライブで、色々と制限がありながらも遊べるレベルの移植作が出てきて、ファンも喜んだもんです。完全移植が達成されるには次世代機の登場を待つことになる……。

アフターバーナーII(電波新聞社 1990年3月23日発売 6,900円)
セガの人気体感筐体ゲームの移植作。最新鋭戦闘機F-14XXを駆り、機密情報を輸送する。襲い掛かってくる敵機をバルカン、ミサイルで倒していく擬似3Dシューティングゲーム。全23ステージ。
当時ゲームの移植に実績があった電波新聞社が、X68000版をベースに移植した。背景のオブジェクト等は大幅に省略されているが、『アフターバーナー』のキモである操作性、スピード感、爽快感等、その完成度はピカイチ。AボタンとCボタンにスロットルのHIGHとLOWの操作を振り分けてあり、速度の調整も可能。
空母や補給機が拡大縮小しない、着陸する補給シーンが無いといった違いはあるが、それは些細な問題。見た目を似せるよりも、プレイ感覚を優先した作りは大正解。確かに背景は寂しいが、これは紛れもなく『アフターバーナーII』!サウンドの出来もなかなか。
これがもしセガが移植していたら、これほど完成度の高いものは出てこなかっただろうね。Mark-III版が酷い出来だっただけに、余計に……。
このソフトと同時にアナログパッドも発売されていましたが、私は使った事無いです。操作感とか、どうだったんでしょうね。

アフターバーナー・コンプリート(セガ・エンタープライゼス/ゲームのるつぼ 1995年1月13日発売 4,980円)
セガの体感ゲーム『アフターバーナーII』の移植作。擬似3Dシューティングゲーム。全23ステージ。
32Xのマシンパワーを活かして、高いレベルでのアーケード版の再現に成功している。背景等が多少省略されているらしいが、素人目には殆ど区別はつかないほど移植度は高い。

アラジン(セガ・エンタープライゼス/Virgin Games 1993年11月12日発売 7,800円)
ディズニーのアニメーション映画『アラジン』を題材にしたサイドビューの横スクロールアクションゲーム。全11ステージ。
プレイヤーは主人公アラジンを操作する。攻撃方法は刀と、飛び道具のリンゴ。リンゴは有限だがアイテムを取ることによって補給ができる。この二つを使い分け敵を倒しながら進んでいく。
まず最初に驚くのが、とても滑らかなキャラクターのアニメーション。どのキャラクターも、実際のアニメかと思うほどに滑らかに、生き生きと動く。ここまで動きにこだわった作品は他に無かったであろう。それでいて操作性に悪影響もなく気持ちよく操作できる。
映画の物語に沿って構築された各ステージも映画のシーンをうまく再現していて、細部までこだわって作られている。キャラクター同様、背景のグラフィックも大変美しい。だが後半面ではシビアな操作を要求する場面も多く難易度は全体的に高め。

ヴァーミリオン(セガ・エンタープライゼス 1989年12月16日発売 8,500円)
セガ体感ゲーム開発陣による開発との触れ込みで話題となったオリジナルファンタジーRPG。
スタッツ村に住む主人公は、父の臨終の際、自分は実の息子ではなく、アーネスト国に滅ぼされたフョードル国の王子であると告げられる。主人公はアーネスト国打倒という父の遺志を継ぎ、旅立つ。
町や村の中では一般的な見下ろしがた画面だが、フィールドやダンジョンでは2Dと3Dの画面が同時に表示される。体感ゲームらしさを出したかったのかもしれないが、2D画面だけでよかったのではなかろうか。
敵と遭遇すると、固定画面のアクションゲームになる。剣を振ったり、魔法を使ったりしながら敵を倒していく。またボス戦ではサイドビューとなる。主人公の足は遅いがアクション性はそれほど高くもなく慣れればそれほど難しくない。
さくさくとテンポよく進行するが、シナリオは平坦。サウンドの出来は良い。

うる星やつら 〜ディア マイ フレンズ〜(ゲームアーツ 1994年4月15日発売 7,800円)
高橋留美子原作の大人気漫画『うる星やつら』のゲーム化。ゲームアーツのメガCD専用アドベンチャーゲーム第2弾である。
ストーリーは諸星あたるを主人公とした完全オリジナル。迷子の子ども「さっちゃん」を巡って友引町で大騒動に発展する……。同社の『ゆみみみっくす』のようなコマンド選択方式とは違い、「話す」「見る」といった数種類あるカーソルを動かし、対象物をクリックすることで話は進んでいく。
ビジュアルは丁寧に描きこまれていてとても綺麗。『ゆみみみっくす』で培われたデジタルアニメーションにも更に磨きがかかっている。中嶋敦子さんらアニメ版を手がけたアニメーターさんが原画を手がけているので、キャラクターも可愛らしく描けている。声はフルボイスで、声優もアニメと同じなのがファンとしてとても嬉しい。
本編のストーリーは、クリアするだけならそれほど難しいものではないが、そこかしこに隠れキャラがおり、それらを探すのが楽しい。原作でも多くのキャラがいるが、このゲームでもかなりの数のキャラが登場する。出現する条件の厳しいキャラもおり、全員見つけ出すのは大変。ミニゲームも3本収録されているが、まぁ、オマケレベル。
発売されたのが既にTVアニメ放送も終わって久しい’94年とあって、大ファンである私も「なんで今!?」なんて思ったもんだが、制作者もファンなんでしょうね。愛を感じる作品です。

エイリアンストーム(セガ・エンタープライゼス/シムス 1991年6月28日発売 6,000円)
アーケード版からの移植作。『ゴールデンアックス』の流れをくむ、ベルトスクロールアクションゲーム。地球に襲来した宇宙人を倒すため、エイリアンバスターズが立ち上がる!全8ミッション。
3人いるキャラクターから1人を選択し、攻撃やジャンプ、ボム的な役割の特殊攻撃を駆使しながらエイリアンを倒し進めていく。
一言で言えばSF版『ゴールデンアックス』。ゲームシステムやプレイ感覚は似た感じなので、『ゴールデンアックス』が好きならすんなりと入り込める。横スクロールのアクションの他に3D画面のシューティング面、横高速スクロール面があり、それらがテンポ良く進んでいく。キャラクターや音楽等がとてもおバカっぽい雰囲気で、プレイしていて楽しい。
しかし容量の都合か、原作のアーケード版にあった愉快なデモシーンや大型エイリアン等が削除されている。背景もちょっと殺風景な感じ。せめてROM容量が倍であれば……なんて思ってしまう。しかしプレイ感覚は原作をきちんと再現しており、ゲームとしての移植度は高い。エンディングは必見!

エコー・ザ・ドルフィン(セガ・エンタープライゼス/Novotrade 1993年7月30日発売 6,800円)
海洋を舞台とした新感覚のアクションアドベンチャー。
主人公はイルカの「エコー」。竜巻に巻き込まれ消えてしまった仲間達を探すため、大海原を泳ぎ回る。
サイドビューのアクションゲームで、海中を泳ぎながら数々の謎を解き明かしていく。自在に泳ぎまわれるイルカの操作はとても楽しい。障害物にぶつからないように泳げばかなりの速度で泳ぐことができ、水面では大ジャンプも披露する。エコーは超音波を使って、特定の海洋生物との会話もできる。この超音波はゲームのヒントを得るのに重要な役割をもつ。海中では呼吸ができないので、水上や各所にある空気だまりで酸素の補給をする必要がある。
難易度は非常に高い。謎解きが分かりづらく、操作にしてもかなり繊細かつ大胆な動きが要求される。岩ひとつ動かすのも一苦労だ。酸素補給の要素もあり、かなり面倒臭い部分が多い。
グラフィックは非常に美しく、エコーの動きはとても滑らか。登場する海洋生物も生き生きとしている。特に鯨や蛸といった大型生物は必見。海の中をただ泳ぎ回っているだけでも楽しい。

エル・ヴィエント(ウルフ・チーム 1991年9月20日発売 8,500円)
ウルフ・チームのオリジナル作品群『アーネスト・エバンス』シリーズの1作目。サイドビューの横スクロールアクションゲーム。全8ステージ。
1928年のアメリカ、シカゴを舞台に、邪神はスター復活を阻止するため主人公アネットはブーメランと魔法を武器に戦う。
直線的なグラフィックはPCのようだが、アネットの動きは滑らかで軽快な動き。魔法はアイテムを取ることにより取得でき、溜め撃ちができる。強力であるが、素早い敵が多いので使いどころは難しい。
出現する敵の数がとても多く、ダメージを食らう際も無敵時間が無いため連続でくらいやすく、高速の敵に引きずられて大ダメージ……なんてことも。ステージ構成も複雑で、難易度は全体的に高め。ステージ1のボスが異様に強いので、ここでいきなり出鼻をくじかれる人もいるかも。