ファミリーコンピュータ(タ行)


超時空要塞マクロス(バンダイ/ナムコ 1985年12月10日発売 4,500円)
同名の人気TVアニメのゲーム化。宇宙空間を舞台にした横スクロールシューティング。
自機はバルキリーで、アニメ同様3段階に変形させることができる。バトロイド形態だと左右にショットを撃ち分ける事が出来る。しかし変形してもスクロール速度と自機速度が変わるくらいで、あまり変形させるメリットは無い。ガウォーク形態が一番使いやすいか。
宇宙空間から始まり、敵艦内へ突入して、コア部分を破壊すると1ステージクリア。あと延々とこの繰り返し。ゲーム展開はとても単調で、グラフィックもイマイチ。敵キャラ数も少ない(いや、元のアニメ版からして少ないのだが)。BGMも「小白竜」のみで物足りない。敵の弾は鬼のように速く、とてもじゃないが避けられない。難易度は高め。
ゲームスタート時の、銅鑼を叩くミンメイ人形は可愛い。

ツインビー3 ポコポコ大魔王(コナミ 1989年9月29日発売 5,500円)
コナミの代表的縦スクロールシューティングのファミコン版第3弾。内容はファミコン完全オリジナルで、全5ステージのループゲーム。
基本的なシステムやグラフィックは1作目に近い感じで、ベルにショットを当てて色を変え、それを取る事によりパワーアップする、というのは今までと同じ。2人同時プレイも可能。前作にあった横スクロールは廃止された。『出たな!ツインビー』より前の作品なので人間キャラは出てこない。
グラフィックや世界観、敵キャラは今までと似た感じだが、ファミコン版ということもあってか、低年齢層向けな雰囲気。表示キャラが小さめなのでショットやボムを当てるのがちょっと難しい。各面のボスは演出はわりと凝ってる。
今作では自機がやられた時に自機の魂みたいなのがフラフラと飛んでいき、それが画面から消える前に回収できればパワーアップが完全復活。上げすぎた速度までそのままなのがアレだが。回収できなくても復活は結構楽。ボーナスステージも追加され、1UPしまくるし、そうそうゲームオーバーにはならない。今までの作品より難易度は低め。うまい人なら初プレイでラストまで行けてしまうかも。

テトリス(BPS 1988年12月22日発売 4,900円)
「落ちモノパズル」なるジャンルを確立した、ソ連生まれのパズルゲームのファミコン移植版。
10×20マスのフィールド内で、上からランダムで落ちてくる7種類あるブロックを隙間無く積み重ねていき、横ラインが全部埋まると、そのラインが消滅し、上にあるブロックが落ちてくる。その繰り返しでラインを消していき、25ライン消せば1ステージクリアとなる。
当時ゲームセンターで流行していたアーケード版とは操作方法が異なり(十字キーの下で回転、Aボタンで一番下まで落下)、アーケード版で親しんでいた人にはとてもプレイしづらい。Aボタンで落下させるとそのまま接着してしまうので、窪みにブロックをはめようとすると、その位置に自然落下するまで待たねばならないのが辛い。
ルールもアーケード版とは異なり、ステージクリア制を採用。ゲームスタート時に、落下速度や難易度を自分で設定する事が出来て、自分の腕前に合わせて楽しめる。3曲から選べるBGMもノリが良くてグー。

テニス(任天堂/インテリジェントシステムズ 1984年1月14日発売 4,500円)
ファミコン初のテニスゲーム。斜めから見下ろした立体感のある画面構成になっていたのが当時としては画期的。グラフィックはシンプルながらも、ボールの影がコートに映り込んでおり、ポールの位置を把握しやすい。
CPU選手を相手に、シングルス、ダブルスでのプレイが可能で、難易度は5段階で選べる。レベル5は強敵。操作性はなかなかよく、さくさくっと選手が動く。選手とボールの位置関係によって打てるショットも変化する。
2人同時プレイも選べるのだが、ダブルスの協力プレイのみで、対戦プレイが出来ないのが残念。スポーツゲームなら、やはり対戦モードは欲しいところ。試合時間がかなり長びくのもイマイチ。

ドラゴンクエスト(エニックス/チュンソフト 1986年5月27日発売 5,500円)
エニックスから発売された、ファミコン初のコマンド選択式ロールプレイングゲーム。それまでアクションやシューティングばかりだったファミコン界に新風を巻き起こした。
プレイヤーの目的は、伝説の勇者ロトの血を引く勇者となり、竜王にさらわれた王女を助け出し、竜王を倒すことである。
舞台は「アレフガルド」。そのフィールドには平地や山、海、森などがあり、その広大な土地を旅していく。フィールド上には町や城、ダンジョンなどがあり、情報を仕入れ、謎を解きながら行動範囲を広げていく。
フィールド上を歩いているとモンスターと遭遇し、戦うことになる。本作では1対1のタイマン勝負。武器や呪文を駆使してモンスターを倒していく。勇者は敵との戦闘を重ねることで経験値をため、成長していく。呪文を覚え、より強力な武器・防具を装備することで強くなっていき、より強大な敵をも対峙できるようになっていく。
それまでRPGというジャンルに触れた事の無い初心者にもプレイ方法が理解できるよう、順序だててプレイの仕方を教えてくれるような仕組みになっている。パーティ制を採用していないのも、馴染みの無いジャンルでのプレイヤーが混乱しないようにとの配慮からである。アクション要素の無い、そして物語性の強い本作品のプレイ感覚はとても新鮮であった。
今から見るとグラフィックはシンプルで、コマンドも整理されていないといった印象はあるが、これだけの内容がたった512Kbitという小さな容量で実現されているのが凄い。『ドラクエ』は大ヒットし、以後多くの続編が作られていくことになる。RPGはビデオゲームにおける一大ジャンルとなり、『ドラクエ』はそのルールブックとなった。

ドラゴンクエストII 悪霊の神々(エニックス/チュンソフト 1987年1月26日発売 5,500円)
大人気RPG『ドラゴンクエスト』の続編。コマンド選択式RPG。前作からなんと7ヵ月後のリリースであった。
舞台は前作から100年後の世界。前作の主人公の子孫たちが、邪教の教祖大神官ハーゴン打倒のため立ち上がる。
前作よりROM容量が増え、世界が広がった。フィールドのグラフィックがより綺麗に書き込まれており見た目がよくなった。前作では徒歩での移動のみであったが、船に乗ったり、「旅の扉」で瞬時に遠隔地に移動できるようになった。コマンドは整理され、より遊びやすくなっている。
主人公は3人となり、パーティ制が採用された。戦闘ではモンスターも複数で登場するようになり、より戦術性の高い戦闘が楽しめるようになった。ファミコン本体の表示能力の都合で背景が無くなってしまったのが残念。
現在でも語り草となっている「ロンダルキアへの洞窟」や敵の強さなど、難易度は総じて高い。新しい乗り物である船も、手に入れてから「どこに行ったらいいのか分からない」と、多くの難民を出した。開発期間が短いこともあって、作りこみの甘さも目立つ。

ドルアーガの塔(ナムコ 1985年8月6日発売 4,900円)
同名アーケード版からの移植作。RPG要素をうまく取り込んだアクションゲーム。全60階。
主人公ギルを操作し、60階建ての塔を登っていく。アイテムを集めパワーアップさせ、悪魔ドルアーガ打倒を目指す。
各フロアには宝箱が隠されており、謎を解くことで宝箱を出しアイテムを取ることによってパワーアップさせる。しかしこの宝箱出現方法が最初こそ簡単だが、階が上がっていくにつれてとても難しくなっていく。あまりにも理不尽なものもあり、自力での謎解きはほぼ不可能。だからといってアイテムを取らずに進めていくと敵に太刀打ちできなくなってしまう……。攻略本は必須アイテムであった。
アーケード版では横18×縦9ブロックあったフロアがファミコン版では横16×縦7ブロックと狭くなっており、グラフィックの簡略化、敵の出現数減少等といった違いはあるが、ゲームとしての移植はとてもよく出来ている。
このファミコン版には「裏ドルアーガ」なるものが隠されており、本編より更に難しいステージが用意されていた。

ドンキーコング(任天堂/インテリジェントシステムズ 1983年7月15日発売 4,500円)
アーケード版からの同名タイトルの移植版。固定画面のジャンプアクションゲーム。記念すべきファミコンローンチタイトル。全3面のループ制。
主人公マリオを操作し、ドンキーコングが放り投げたり転がしたりしてくる樽や敵キャラをジャンプで避けながら、ドンキーコングにさらわれた恋人のレディを救出する。樽や敵キャラにぶつかったり、高所から落下するとミスになる。全3面をクリアすると1面からループし、難易度が上がっていく。
アーケード版と比べて、50m(ベルトコンベア面)が削除、オープニングデモの削除といった違いはあるが、ゲーム全体的の移植度は高い。当時において家庭用マシンでこれだけグラフィック、操作性の優れたアクションゲームが遊べるというのは画期的なことであった。