ファミリーコンピュータ(サ行)


ザナック(ポニーキャニオン/コンパイル 1986年11月28日発売 2,900円)
高い完成度を誇る縦スクロールシューティングゲーム。全12エリア。
戦闘機「ザナック」を操作し、6段階にパワーアップするメインショットと、8種類あるサブウェポンを駆使して迫り来る敵軍を倒していく。
「ALC(自動難易度調整機能)」と呼ばれるシステムを搭載しており、ショットを無駄打ちしたり、敵要塞の破壊に失敗したりすると難易度が上昇していく。その都度敵の出現パターンはは変化していくためパターン化できず、総じて難易度は高め。後半では簡単に撃ち負けるほどに敵の攻撃は激しくなる。
大量に出現する敵や弾、眼が追いつかないほどの超高速スクロールは見るものを圧倒する。それでいて処理落ちやチラつきはほとんど見られない。ステージは多彩で、グラフィックやサウンドのレベルも高い。
プレイ時間がかなり長い、セーブ機能が無くハイスコアが残せないといった欠点もあるにはあるが、ゲームとしての完成度は非常に高く、今なお語り継がれる名作である。

沙羅曼蛇(コナミ 1987年9月25日発売 4,900円)
アーケード版の同名作品の移植版。横・縦スクロールのシューティングゲーム。全6ステージ。
ステージ1は横スクロール、ステージ2は縦スクロール……と、交互にスクロール方向が変わる。ステージ数こそアーケード版と同じだが、ハード性能の問題か、その構成は大幅にアレンジが加えられている。容量が増え、特殊チップを搭載することにより背景のグラフィックはとても美しい。ステージ3のプロミネンスも見事に再現している。
アーケード版ではパワーアップユニットを取ることでパワーアップしていたが、このファミコン版では『グラディウス』と同じくカプセルを取って選択する方式に変更されている。前作のファミコン版『グラディウス』ではオプションが2つしか装備できなかったが、本作では3つまで装備できるようになり、レーザーも長くなっている。2人同時プレイもできるようになっている。
前作よりも攻撃は激しくなり、地形も狭く入り組んでとても厳しい。地形が変化する箇所もあるので、アドリブだけで乗り越えるのは難しい。全体的に難易度はとても高い。しかし頻繁に1UPし、その場復活でもあるのでアーケード版ほどの厳しさは無い。
カートリッジがスケルトン仕様であり中身の基板が透けて見えるのが面白かった。

スカイデストロイヤー(タイトー/ホームデータ 1985年11月14日発売 4,500円)
アーケード版から移植された、擬似3Dシューティングゲーム。
零式戦闘機を操作し、敵機を倒しながら進めていく。武器は機銃と魚雷。迫りくる敵戦闘機や爆撃機、戦艦といった敵を倒していく。
ステージの背景が昼間→夕方→夜→明け方と変化していき、暫くすると出現する敵要塞を破壊するとステージクリア。ボーナスステージが入り、それが終了すると次のステージへ……以後繰り返し。
彼方から迫ってくる敵機の動きもそれらしくて3D処理は当時としては悪くない。BGMは無くエンジン音が響くだけだが雰囲気は良い。ただ展開は単調なので飽きは早いかもしれない。
アーケード版があるらしいのですが、私は見た事ありません。

スターソルジャー(ハドソン 1986年6月13日発売 4,900円)
ハドソン主催のイベント「全国ファミコンキャラバン」の第2回大会で使用された、縦スクロールシューティングゲーム。全16ステージ。
前年に発売された『スターフォース』を発展させた形で制作された。『スターフォース』と同じく、対空・対地の区別無く破壊できるショットを駆使し、クリアを目指す。各ステージの最後にはボス「スターブレイン」が待ち構えている。
自機「シーザー」のショットは3段階にパワーアップし、最大で5方向にショットが飛ぶ。最強状態ではバリアも張られるので耐久性は高い、のだが敵キャラの動きがトリッキーで、体当たりでやられることも多い。難易度は高いが、敵の出撃パターン、攻撃パターンを覚えて確実に処理していけるようになればプレイは楽になる。それでも後半では地上敵が格段に多くなり、誘導弾も撃ってくるので、それらを如何に素早く破壊できるかが鍵。ひたすら連射連射連射!連射パッドは必須である。無くてもいいが指が死ぬ。
敵キャラは編隊を全滅させる、あるいは画面から全て消えると次の編隊がやってくるので、いかに素早く撃ち落として多くの敵を倒すかがハイスコアを得るポイント。他にも数々の高得点を得る要素があり、それらを確実に撃ち落としてスコアを稼ぐのが面白い。
グラフィックは当時としては高水準で、破壊音等のサウンドも良し。爽快感は抜群。「避けて撃つ」をとことん追求した、完成度の高い作品である。
あのパッケージの男は誰なんでしょうね!?パイロットなんでしょうか。

スマッシュピンポン(任天堂/コナミ 1987年5月30日発売 2,500円)
アーケード版『コナミのピンポン』の移植版。卓球をモチーフにしたスポーツゲーム。
選手は手首とラケットのみが表示され、他の部分は全て省略されており、ぱっと見は不気味。しかしその分画面はとても見やすい。ラケットの左右の移動はオートで、十字キーの左でドライブ、右でカット、上でスマッシュとを打ち分けることができるようになっている。
操作はシンプルで分かりやすく、慣れれば簡単にラリーを繰り広げられる。スマッシュを決めると観客の拍手や口笛がとんだりする。ポーズをかけたときの「ファイト!ファイト!」といった声も可愛らしい。
2人対戦プレイもでき、シンプルながらもよくできている。

ゼビウス(ナムコ 1984年11月8日発売 4,900円)
超人気のアーケード版から移植された縦スクロールシューティングゲーム。私がファミコン本体を購入するきっかけにもなったソフト。
内容は基本的にアーケード版からの忠実な移植で、対空、対地攻撃用の武器を使い分けながら敵を破壊しつつ全16エリアを進行していく。16エリアを突破するとエリア7へ戻り、以後は7〜16のループゲームとなる。2周目以降も難易度は変わらないので、その気になればいつまでも続けられる。体力勝負!家庭用ならポーズがあるので休憩をいれながらのプレイもできますね。便利便利。
色数の関係からか、グラフィックは全体的にのっぺりとした印象。ナスカの地上絵が無い、バキュラが一画面に4枚くらいしか出ない、浮遊要塞アンドアジェネシスが地上に貼りついている、とった差異はあるものの、そのプレイ感覚はまさに『ゼビウス』。テレビなので画面は横長だがしっかりバランス調整がなされており、楽しくプレイできる。ソルやスペシャルフラッグといった隠れキャラもバッチリ。ファミコン版では、プログラムミスでアーケード版で入れ忘れたという46本目のソルも存在。自機ソルバルウが破壊された瞬間に上下ひっくり返るといった現象もきちんと再現。当時としてはピカイチの移植度・完成度。
当時は朝早くから某百貨店に開店前から行列を作り、開店と同時に玩具売場へダッシュ!ファミコン本体と一緒に無事ゲットできました。とにかく当時はファミコン本体の入手が大変困難であった……。本ソフトはミリオンセラーとなり、ファミコンブームのきっかけをつくったキラーソフトとなりました。

ゼルダの伝説(任天堂/エス・アール・ディー 1986年2月21日発売 2,600円)
ディスクシステム本体と同時に発売されたローンチタイトル。ディスクの特徴である大容量、セーブ機能を生かしたアクションRPG。
舞台はハイラル地方の小王国。主人公「リンク」を操作し、大魔王ガノンにさらわれたゼルダ姫を助けるため、各地に分散した「知恵のトライフォース」を求め冒険を繰り広げる。
リンクは横16×縦8の全128画面分という広大な地上フィールドを、敵を倒し、時には謎を解きながら探索することになる。数多くのアイテムがあり、それらを発見していくことで行動範囲が広がっていくのが面白い。ロウソクや爆弾を使って隠し通路を発見したり、ブーメラン等を使って遠距離攻撃をしたり……と、色々と考え工夫しながらの探索はとても楽しい。
フィールドの各地にはLEVEL1〜8のダンジョンがあり、最深部ではボスがトライフォースを守っている。ボスはどれも強敵。初めて出会った時は、その存在感と鳴き声に驚いたものだ。鳴き声含め、この作品はサウンドも素晴らしい。ファミコン本体には無い音源を駆使して、美しい音色を聴かせてくれる。
バッテリーバックアップ技術がまだ無かった時代、ゲームのプレイ状況を保存できるというのは、大変便利であった。このセーブ機能のおかげで、長い冒険の旅を続けられるのだ。ROMカートリッジと比べてディスクのロード時間で待たされるといった弱点もあったが、確実にファミコンゲームの進化を感じさせてくれた。

戦場の狼(カプコン 1986年9月27日発売 5,500円)
’85年にリリースされた同名アーケード作品の移植作。トップビューの縦任意スクロールのアクションシューティング。全8エリアのループ制。
主人公「スーパージョー」を操作し、連射のきくライフルと、弾数制限のある手榴弾を使い分けながら、敵を倒しながら進んでいく。道中で捕虜を救出すると高得点。エリアの最後である程度敵の攻撃をしのぐとエリアクリアとなる。
ゲーム内容は比較的忠実に移植されており、操作性も良好。弾のサイズが大きく描かれ見やすいのも良い。マップ上の特定箇所に手榴弾を当てると地下への入り口が出現し、アイテムや高得点が得られるといったファミコンオリジナル要素もある。グラフィックも当時としてはよく描けているのだが、敵が大量に出現し、スプライトのチラつきが激しいのが難点。敵キャラがチラついたり消滅したりといった現象が頻出する。