ファミリーコンピュータ(ハ行)


バルーンファイト(任天堂/HAL研究所 1985年1月22日発売 4,500円)
米Williams社のゲーム『ジャウスト』をアレンジしたアクションゲーム。’84年アーケードで発売され、それが翌年ファミコンに移植された。
風船をつけたプレイヤーは、ボタンを押すと羽ばたきフワフワと宙に浮かぶ。浮遊中の空中制御は慣れないと難しい。そんな自機を操作し、同じく風船をつけた敵の風船を割って倒していく。
敵の頭上から体当たりすれば相手の風船を割ることができ、風船の無くなった敵に更に体当たりすると倒すことができる。逆に自分の風船を敵に割られてしまうとミスになってしまう。画面に敵を全て倒すと面クリア。3面クリアするごとにボーナスステージが入り、全ての風船を割れば特別ボーナス!
敵の倒し方で得点が変わり、敵が水中に落ちるとシャボン玉が現れそれを割ってもスコアが入るので、ハイスコアを目指すのも楽しい。
2人同時プレイもできるのだが、互いの風船も割ることができてしまうので、協力プレイがいつのまにか対戦プレイに……なんてことも。
それ以外に「バルーントリップ」なる1人用モードもあり、ゆっくりと左へ強制スクロールしていく画面を移動しながら風船をひたすら割っていきスコアを競うというもの。道中には雷(触れるとミスになってしまう)が設置されているので、それをうまく避けながら進めていくことになる。こちらも繊細な操作が要求されて、これ単体でも一つのゲームとしてとても面白い。
風船を割る、というシンプルなルールながら多彩な遊び方ができ、1人でも2人でも大いに盛り上がるでしょう。

バレーボール(任天堂/パックスソフトニカ 1986年7月21日発売 2,500円)
任天堂の初期スポーツシリーズの一作。ファミコン初のバレーボールゲーム。
全8カ国のチームから選択しプレイできる。1人用の時はプレイヤーは日本しか選択できないが、2人対戦時は自由に選択できる。男子と女子の選択もあり、男子だとゲームスピードが速い。
6人の選手を操作するということもあり、操作は他のスポーツシリーズと比べても複雑。慣れないうちはボールを拾うのも一苦労。だが慣れてくると自在に操ることができるようになり、時間差攻撃などといった複雑なテクニックも使えるようになり熱いプレイが楽しめる。熟練者同士の対戦プレイはとても白熱する。バレーボールを題材にしたコンピュータゲームは今現在においても数少ないが、本作を超える作品はあまり無い。
’80年代のゲームであるので、現在のバレーボールとはルールが異なる部分もある。新規プレイヤーには戸惑う部分かもしれない。
発売当時に流れていた「田中さんちでバレーボールがはじまるぞ〜!」なテレビCMも印象的であった。

ピンボール(任天堂/HAL研究所 1984年2月2日発売 4,500円)
ファミコン初のデジタルピンボールゲーム。フリッパー操作をしてハイスコアを目指す。
十字キーで左側、AかBボタンで右側のフリッパーを操作する。この操作体系は秀逸。ピンボール台は上下2画面分あり、ボールの位置に合わせ上下画面が切り替えられる。上の画面と下の画面それぞれに多くの仕掛けが設置されており、スコアを稼ぐための役が意外と豊富。マリオとレディが登場するボーナスステージも存在する。
ボールの挙動は軽くまるでスーパーボールの如く跳ねたりするが、動きは滑らかで嘘くささも感じさせない。
ピンボール台が1種類しかなく、BGMも無く地味な印象。台揺らしといったテクニックも使えないが、ついつい遊んでしまう面白さがある。この当時にして既にデジタルピンボールとしての土台が形成されており、その完成度は今現在においても色褪せることはない。