ファミリーコンピュータ(ア行)


アイスクライマー(任天堂 1985年1月30日発売 4,500円)
雪山の氷を砕きながら頂上に挑む、サイドビューのアクションゲーム。全32ステージのループ制。
主人公「ポポ」(2P側はナナ)を操作し、武器のハンマーを使ってブロックを砕いたり、お邪魔キャラを倒す。舞台となる雪山は階層状になっており、ジャンプすることで天井のブロックを砕き、穴をあけて上のフロアへ進む。穴から画面下へ落ちたり敵に接触するとミスになる。8フロア分登るとその山を制覇したことになり、そのままボーナスステージへと移行する。ボーナスアイテムを取りつつ山頂を目指す。画面の外へ落下してしまうとその時点でボーナスステージ終了となり、次の山へと進む。
天井と床を兼ねたブロックを崩しながら上へと移動していくのだが、崩しすぎると足場の確保が難しくなってしまうので、その事を考えながら崩していく必要がある。ステージが進むと崩せないブロックや動く床といった仕掛けも登場し、ブロックの数も少なくなったりでなかなか難しい。
2人同時プレイも可能で、2人で協力し合いながら山を登っていくのだが、片方だけ進もうとするともう片方が取り残されてしまう。邪魔をしてわざと蹴落とすなんて遊びもできる。

アイスホッケー(任天堂/パックスソフトニカ 1988年1月21日発売 2,500円)
ディスクシステムで発売された、アイスホッケーのゲーム。
6各国のチームから選択し、ゲームスピードと試合時間を設定したら、チーム編成を行う。4人組のチームを組むのだが、「痩せ型」「普通型」「太り型」と体格の違う選手から好みに合わせて編成できるのが面白い。3種類ではあるが、これにより戦略の幅も広がった。
試合展開はスピーディ。氷上を滑るので操作には慣れが必要だが、操作性は良好。

悪魔城ドラキュラ(コナミ 1986年9月26日発売 2,980円)
コナミがディスクシステム第1弾として発売した、サイドビューの任意スクロールアクションゲーム。6ブロック×3ステージの全18ステージ構成。
プレイヤーはヴァンパイアハンターの「シモン・ベルモント」を操作し、宿敵ドラキュラを打ち倒すため悪魔城へ乗り込む。各ブロックの最後には個性的なボスが待ち構えており、最上階で待ち構えているドラキュラ伯爵を倒せばゲームクリア。
武器は鞭と、回数制限のあるサブウェポン。武器や主人公の操作感覚が独特で制限も多く、その挙動に慣れるまでは操作が難しい。難易度はかなり高め。
ゴシックホラーを基調したリアル調のグラフィックはとても細かく描き込まれ、美しい。コミカルなグラフィックのゲームが多かったファミコン作品の中でも際立っていた。最後の長い階段等、印象的なシーンも多い。登場する敵キャラクターも個性的で、特にボスは登場演出も凝っている。ロック調のBGMも素晴らしい出来。
完成度の高い本作は人気を博し、以後多くの『悪魔城』シリーズが製作されていった。

アフターバーナー(サン電子 1989年3月30日発売 6,200円)
セガの人気体感シューティングゲームの移植作。このファミコン版はタイトルこそ『アフターバーナー』だが、その内容は『アフターバーナーII』の移植であり、ゲームのタイトル画面でもIIの表記になっている。
機銃とミサイルを使いながら、画面奥から迫り来る敵機を撃墜していく擬似3Dシューティング。アーケードよりハード面でかなり劣るファミコンながら、擬似的な回転や敵機の出現パターン、「FIRE !」等の音声やサウンド等、なかなかの再現度。地上補給シーンやボーナスステージの再現度も高い。
全体的にキャラクターサイズが小さい、ミサイルの煙の表示がなく、敵機の放つミサイルが見づらいといった難点はあるものの、元の作品がもつ爽快感やスピード感といったゲームの面白さは見事に再現。

1942(カプコン/マイクロニクス 1985年12月11日発売 4,900円)
カプコンの同名アーケード作品の移植作。カプコンのファミコン参入第一弾作品。縦スクロールのシューティングゲーム。全32ステージ。
自機「P-38ライトニング」を操作し、大量に迫り来る日本軍機を倒しながら進んでいく。メインショットのほか、「宙返り」という緊急回避のシステムが特徴的。
このファミコン版はアーケード版の要素をほぼ再現しているのだが、画面の動きがカクカクで、全体的にスロー。ワンテンポ遅れる操作性もあってとても遊びづらい。サウンドも貧弱。当時は既に『スターフォース』や『ゼビウス』といったクオリティの高い移植作が出ていたこともあり、それらと比べてしまうとかなり厳しい。

うる星やつら ラムのウエディングベル(ジャレコ/トーセ 1986年10月23日発売 4,900円)
高橋留美子原作の大人気漫画『うる星やつら』をジャレコがゲーム化。縦横スクロールのサイドビュージャンプアクションゲーム。全6ステージ。
ジャレコのアーケード版『モモコ120%』という作品の、キャラクターを変えてアレンジ移植。プレイヤーがモモコからラムに変わり、敵キャラも『うる星やつら』の登場キャラとなっている。
主人公ラムを操作し、電撃で敵を倒しながら上階を目指し、屋上の宇宙船に到達するとステージクリア。ステージは左右任意スクロールするサイドビュー。エスカレーターやトランポリンで上の階へ移動していく。下の階からは炎が迫ってくるので急いで移動しないといけない。
元のアーケード版もだが、操作性が悪く思うように動かせない。床は穴だらけで落ちたらミス、敵は大量に出てくる上に時間制限もキツイので結構難しい。
ステージは幼稚園、小学校、中学校、高校、アイドルと進んでいくのだが、元々が別作品をキャラ変えしただけというのもあり、世界観はメチャクチャである。そもそもラムちゃんは空を飛べるわけで……。このゲームで褒められるのはパッケージのイラストくらいか。

エグゼドエグゼス(徳間書店/マイクロニクス 1985年12月21日発売 5,200円)
カプコン製作の同名アーケード版ゲームの移植。縦スクロールのシューティングゲーム。
メタリックな背景に昆虫型の敵生物群、ボーナスシステム等、静止画ではパッと見は忠実に移植されているように見える。
しかし、アーケードとファミコンとの性能差が大きいということもあり、激しい劣化がみられる。全体的にゲームスピードは遅く、動きはガタガタ。サウンドも酷い。多くの敵機が一度に出現、そして弾も大量にばら撒かれるとスプライトオーバーで画面が激しくチラついてしまう。この現象をマニュアルで「フラッシュ攻撃をしてきて見えにくくなるぞ!」などと言い訳する始末。他の作品ではうまく調整してチラつきを抑える工夫をしているものもあるのに、本作ではそういった努力の跡は全くみられない。アーケードとの性能差以上に開発能力の低さを感じる。
無制限にコンティニューできるが、あまりの展開の遅さ、画面の見づらさもあって、続きをしようという気にもなれない。どうしてこうなったのか。

F1レース(任天堂/HAL研究所 1984年11月2日発売 4,500円)
フォーミュラーカーを操作し、アザーカーを避けながら制限時間内に完走するというレースゲーム。全10コース。
3段階ある難易度を選択肢、5コースを走ることになる。ルール自体は現在のレースゲームとさして変わらない。アザーカーと接触すると自車が爆発する(!)ので、結構難しい。
背景等のグラフィックも寂しいが当時としての水準以上ではある。動きは滑らか。ただひたすら走るだけでF1には程遠いが、それなりに楽しめる。

エレベーターアクション(タイトー/マイクロニクス 1985年6月28日発売 4,900円)
タイトーの同名アーケードタイトルの移植版。任意縦スクロールのアクションゲーム。
プレイヤーはスパイとなり、敵地であるビルに屋上から潜入し、機密文書を全て回収、最下階から脱出することが目的である。
舞台となるビルでは多くのエレベーターが稼働しており、それを使って下の階へ移動していく。プレイヤーは拳銃で敵を倒すことができるが、他にもキック攻撃やエレベーターで潰したりと、攻撃方法は多彩。
アーケード版のゲーム性はしっかりと移植されているが、BGMがかなり貧弱。素早くクリアしないと敵がマシンガンを乱射してきてクリアがほぼ不可能になってしまう。難易度はとても高い。